よみもの

歌麿が描いた「夢みる大江戸」

レッツ!エンジョイ!!
レガ(歴史好きガール)みーぽんです。

今回は、私がとっても気に入っている浮世絵をご紹介したいと思います。

コワ~イ夢

さっそくご覧ください。

化物の夢 喜多川歌麿

暑い今の時期にぴったりではありませんか?

タイトルはズバリ!「化物の夢(ばけもののゆめ)」
作者は、喜多川歌麿
(1753年頃~1806年)

この浮世絵との出会いは、2016年に江戸東京博物館で開催された『大妖怪展』でした。
ポストカードを購入したくらいお気にいりです!

大妖怪展

化物の夢 喜多川歌麿『大妖怪展』にて販売されていたポストカード

母親と寝ている男の子。
男の子からは何やら吹き出しが出ています。

吹き出しの中身は?

化物の夢 喜多川歌麿

妖怪です!!

首が長い見越入道
舌を出している一つ目小僧
乱れた髪の蛇女?青女房?

妖怪たちの生き生きとした姿が印象的!
歌麿は美人画が有名ですが、妖怪の絵も描くんですね。

さて、気になる吹き出しの文字は・・・

化物の夢 喜多川歌麿

また晩にうなしてやろう
お袋が起こさねえと
もっと脅してやるのに

よしよし
晩にはお袋に
怖い夢を見せてやろう

妖怪たちの捨て台詞でした!!

そして吹き出しの中身は、男の子の見ていた夢というわけです。
夢を吹き出しにするところが面白い!

化物の夢 喜多川歌麿

可哀想に!男の子はこの表情・・・
盛大に脅かされたに違いないですね。

この後飛び起きて
「妖怪がきちゃう!」とお母さんに教えてあげたかもしれません。

この浮世絵の怖カワイイところが大好きです。

子ども用の・・・

もう一つ、注目していただきたいポイントがあります。

化物の夢 喜多川歌麿

なんだかこの掛け布団、変ですよね?
枠組みが見えます。

これの正体は、喜多川歌麿の別の浮世絵をご覧ください。

幌蚊帳 喜多川歌麿「幌蚊帳」喜多川歌麿 筆

浮世絵のタイトルにもなっていますが、
その名を「幌蚊帳(ほろがや)」といい、蚊帳の一種です。

幌蚊帳は“母衣蚊帳”とも書くのですが、この膨らんだ形といい、名前といい、
思い浮かぶのは、戦国時代の合戦でもお馴染みの「母衣(ほろ)」ですよね。

母衣母衣を背負った戦国武将元々は矢などから身を守る防具でしたが、後に使い番などに許された装飾具となりました。

想像したとおり「幌蚊帳」の語源はこの母衣からきていました。
戦国時代の母衣は、竹などで作った骨組みに布をかぶせているので構造も似ています。

化物の夢 喜多川歌麿

こんな形の蚊帳もあるのか!と驚きました。
ちなみに、これは子ども用の蚊帳のようです。

手軽にセット出来そうなので、子供のお昼寝などに丁度良いのかも!

蚊帳ということは、この浮世絵の季節は夏。
そういえばお母さんも薄着です。色っぽい。

そこにお化けの夢だなんて
ますますこの浮世絵が粋に感じられ、さらに好きになりました。

しかし、私はこんな夢は見たくないです・・・

他にもある!「○○の夢」

先日、東京国立博物館で出会ったこちらの浮世絵をご覧ください。

思わず二度見、いや何度見もしました。

丁稚の夢 喜多川歌麿

同じく、喜多川歌麿 筆
「丁稚の夢(でっちのゆめ)」

まさかの夢シリーズです。
歌麿さん、他にも「○○の夢」を描いていたのですね!

丁稚に落書きをしているのは、奉公先の御嬢さん?
そこに落書きしますかっ!!

そして吹き出しの中身は・・・

丁稚の夢 喜多川歌麿

傘を差した猫。
歌舞伎の一幕にも思える、きまった姿ですね~
「猫に手ぬぐい」だと猫又(妖怪)に思えてしまいます。

いったい何の夢でしょう!?

手掛かりは丁稚の横に書かれた文字。

丁稚の夢 喜多川歌麿

さっそく読んでみます!

丁稚の夢 喜多川歌麿

ゴウゴウ スウスウは寝息として
2行目の「かがでかががさいせ」は何の暗号!?

私の推測では、「加賀で加賀傘、伊勢」

江戸の人々にとっては、お伊勢参りは憧れなので
「加賀へ行ったら加賀傘を買って~、それで伊勢に・・・」
という楽しい夢なのかな!と想像しました。

しかし、その後の「さんど」がどう繋がるのか。

伊勢三度で、伊勢参りに三度行くということか?
それとも三度とは“三度傘”なのか?
「さんど ヲいこれヲいこれ」で舟をこぐ(居眠り)姿を現しているとも・・・

はたまた、
江戸時代は手拭いをかぶった“踊る猫”の怪談話が多いので、
化け猫の歌うお囃子なんて可能性も?

「かがでかががさ♪いせさんど♫」

なんとも語呂がいい。

 

丁稚さんの夢、状況の解読が難しいです。
この浮世絵が描かれた当時の人々には、意味が分かったんだろうなと思うとなんだか悔しいです。

「○○の夢」番外編

他にも夢シリーズがあるのではないかと探してみたところ

『見るが徳栄花の一睡』と銘打った、まさしくシリーズ画が存在しました。

奴の夢 喜多川歌麿見るが徳栄花の一睡 「奴の夢(やっこのゆめ)」 喜多川歌麿 筆

 

禿の夢 喜多川歌麿見るが徳栄花の一睡 「禿の夢(かむろのゆめ)」 喜多川歌麿 筆

 

娘の夢 喜多川歌麿見るが徳栄花の一睡 「娘の夢(むすめのゆめ)」 喜多川歌麿 筆

 

“見るが徳”というだけあり、
どれも心ときめくような夢ですね~

眠っている時の無防備な姿がどれも微笑ましいです!

 

さて、皆さんは今宵どんな夢をみるのでしょうか。

どうか良い夢がみられますように・・・

この記事の著者

レガ(歴史好きガール)/ 歴史タレント
戦国時代はもちろん!日本史全般やお城にも興味津々。
好きな歴史人物は、武田典厩信繁。
目下の趣味はくずし字の読解とプランター菜園。
歴史番組への出演やイベントMCなど、幅広く活動中。

当サイト内にて配信中
歴史WEBラジオ「遠近孝一PRESENTS 戦国ネットすきらじ」パーソナリティー

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